石場旅館




青森県 弘前城下
弘前で2軒ほどある古い旅館の1つ。代々の宮様が泊まられた立派な宿で,庭も美しいらしい。夜着の早朝発だったのが悔やまれる。オーナーのおじさんがとても親切で人好きな方で,たぶん大雪の中,宿泊客が少なかったからだろうか,弘前町並みドライブツアーに連れ出してくれた。
ぜひまた夏に余裕を持って訪ねたい。
燕山荘


長野県 北アルプス
友達がひと夏バイトをすることになったので会いにいった。巨大でおしゃれな木造の山小屋。
鹿の谷


北海道 幌加温泉
帯広駅前の長崎屋で食材を買い込んだらバスに乗り込む。上士幌線の廃線跡を見ながら雪の国道をバスはいく。まわりになんにもない停留所に,宿の主人がレガシィで迎えに来てくれた。
夜は,温泉熱の暖房で心地よい部屋と,-10ºCの夜の森にある露天風呂とを行き来する。満点の星。
飯山館




長野県 飯山駅前
いまや新幹線も通る飯山駅から歩いて10分。人好きなおっちゃんが迎えてくれる。写真に見える本館,明治の建物,に泊まり損ねたのでまた行こうと思う。
鎌倉温泉




宮城県 遠刈田
圧倒的に良い建物。電話でいろいろと部屋のことを聞いていると,「建物がお目当てですか?ならば真ん中の一番古い棟をご案内しますよ」とありがたい限り。
部屋から障子一枚隔てて廊下,急な階段を降りると,引き戸を開けて渡り廊下を経て温泉に...文句なしです。
伊勢屋




新潟県 津南町中心部
ゆったりと流れる信濃川に付かず離れず,飯山線にゆられて津南駅へ。駅前の定食屋で夕飯を食べ,駅の2階についている温泉で体を予熱したら,切れるような寒さの夜道に飛び出す。信濃川を渡り,河岸段丘を登れば,伊勢屋まで20分でたどり着く。
宿は総二階で,廊下も階段も黒光りしている。玄関の直上にあたる二間続きのお部屋を案内してもらうが,仕切りの襖に龍!
大宗旅館






東京都 築地
言わずと知れた,東京砂漠のサンクチュアリ。
本当なら,前日は甲子園で日ハムvs阪神の試合を観て,その夜のサンライズ出雲瀬戸で東下する予定だったが,関西は大雨,甲子園の試合もサンライズも中止になってしまった。かなしい。
翌朝,気を取り直して新幹線にのって久しぶりの東京。築地本願寺を初めて見て驚き,この宿にたどり着いた。戦前のつくりから,時代に合わせて修正したような場所は本当に見当たらず,まるで明治村や江戸東京たてもの園の展示に泊まるような心持ちで,いや,見事だった。
夕方,勝鬨橋をわたって月島の,もんじゃ焼きを食べにいく。一人にはやや多くて,お腹いっぱいになった。ここ数年の5月末にくらべたらずっと涼しくて,隅田川の風がとてもよかった。東京も少しはいいのかもしれないと思う。
山田旅館



長野県 小谷温泉
この奥に旅館があるの?という道を上っていくとある。江戸,明治,大正,平成の建物が並んでいて,それぞれとても綺麗に大事に使われているのがすぐわかる。
旅館のレベルはとても高く,東北のボロ自炊湯治宿のような粗放さはない。自炊場の使用については,事前に電話でちゃんと相談しておく必要がある。
カジカの宿


北海道 落石岬
根室線末端区間の列車が鹿にぶつかって壊れてしまい,大幅な減便になった。当初は根室まで行く予定が崩れ,すこし手前の落石に泊まることにした。
しかし次の日は道東に珍しいほどの大雪。1日中真っ白の吹雪で,もちろん根室線は動かなかった。宿のおっちゃんと相談し,もう一泊することにした。暖かい部屋からひねもす吹雪を眺めるのもまた,贅沢。
霊泉亭





宮城県 湯の原温泉
お風呂の受付に陽気なおばあちゃん2人がいて,かなり話し込んだ。その間にも常連のお客さんが何人か来て,土地の言葉で挨拶をしている。ここは地元のお風呂屋さんに湯治棟が残っているというような温泉宿である。 湯屋は木造伝統工法の新築で,湯治棟も昔のままきれいに使われている。このように維持して泊まらせていただけるのは,ありがたいことだと思った。
黒百合ヒュッテ


長野県 北八ヶ岳
母がかつてバイトをしていた山小屋。小屋主さんが久しぶり〜と迎えてくれる。特に好きなのが,1階の深く入り込んだ土間。みな靴を履いたまま,畳敷きの小上がりに腰掛けて温かいものを飲んだり,ストーブにあたったり,地図を広げたり。
将来,家を作る機会があれば,ぜひともこの土間と小上がりを取り入れたい。
松波荘




滋賀県 マキノ
修論執筆に疲れて,締め切り前なのにこの宿に出かけてしまった。京都からたった1時間半でも,寒さも町並みも違う。京大生の小旅行にはおすすめ。
この宿は琵琶湖が目の前。いかにも夏の湖水浴客をむねとした造りで,冬に泊まるにはやや寒々としているものの,その寒さもまた,はるか北国にやってきたようで良いのだ。2階の最も湖に面したお部屋をいただく。広縁のような場所から,松並木を透けて湖面の光が見える。
なかや

山梨県 津金
実家のあたり。お夕飯を囲炉裏の間に出してくれる。夜はドテラを着込んでわら細工をした。
まるよし旅館




滋賀県 今津
自分の修論追い込み時期は,上の松波荘に泊まったが,彼女の修論のときはこちらにお世話になった。
今津はとても見どころのある町で,みんな大好き,琵琶湖周航の歌記念館もある。この宿は,まるでおじいちゃんおばあちゃんの家に来たような雰囲気で,こたつに入ってお夕飯をいただいた。街道のお向かいの家と家の隙間から,いつも穏やかな琵琶湖が見えている。
持田旅館





島根県 雲州平田
松江から,穏やかな宍道湖畔にそって車を走らせる。見どころの多そうな雲州平田の街に入り込むと,立派な下見板の妻面が出迎えてくれた。端正で親切なおばあちゃんが一人で切り盛りされている。
建物はとても良い。通りに面した客室から,坪庭の向こうには赤いトタン葺きの水回り別棟が心地よい。
朝,早起きをして一畑電車の初電にのって,まだ人もまばらな出雲大社に参った。
笹屋旅館


福島県 喜多方
喜多方の美しい街並みの一角にある。道路の拡幅工事の際に曳家をしてまで,きれいな旅館建築が残されている。ありがたいことだ。泊まった2階の和室はおそらく昔のままだけど,壁や畳はきれいに変えてあり,またトイレやお風呂も新しくしてある。ボロ宿をむねとする私も,長い旅行にこういう宿があるとほっとする。
宿の周りは,文化財の蔵店や蔵屋敷,そして喜多方ラーメン屋で溢れている。朝昼とラーメンを食べ,そしておおいに歩き回った。
しらびそ小屋


長野県 北八ヶ岳
母と初めての山登りで,稲子湯から黒百合を目指すときに寄った。それ以来,何度もお世話になっている。かつては,ここらのトウヒを伐採する営林署の前線基地(合宿)で,麓から森林軌道が敷かれていた。軌道跡はいまでもレールが残っている。
冬,かんかんに燃えるストーブを挟んで,小屋主のおばちゃんと話し込む母が懐かしい。2枚目,新館から平屋の旧屋の屋根越しに朝の天狗岳を望む。この,屋根越しにみる山の景色というのは私にとって山小屋原風景とでもいうようなもので,いまでも見つけると写真を取ってしまう。このページで言えば上の幌加温泉鹿の谷や燕山荘でもやってる。
松楓荘



岩手県 松川温泉
この温泉地への道が雪深すぎるために,冬に限って1968年製の四駆のボンネットバスが現役で定期運行している。それに乗りたくて行った。
川に沿って細長く伸びる木造2階建ての古い建物は,温泉暖房で温かい。やや熱すぎることで有名なお湯は,積もりたての雪で少しだけうめた。
松月


富山県 上市
上市川の堤に立つ元料亭建築が,AirBnBのゲストハウスになっている。畳敷きの座敷をぐるりと取り囲む廊下からは,劔岳が見える。夜,車で少し行った先の居酒屋でしこたま飲んで,人生で初めて代行を使った。冷房はなくても,川に面したぴりぴりガラスの窓をあけ,蚊帳に入れば快適な夜だった。
弥四郎小屋




福島・群馬県 尾瀬
はじめて尾瀬にいった。木道を歩いて歩いて,弥四郎小屋についた。一帯が山小屋の集落みたいになっていて,それぞれ良い建物だった。下見板張りに,薄いミントグリーンの窓枠がたまらない。これぞ山小屋建築,という感じで嬉しくなる。
昼すぎについて,ビールとカレーでキメて,昼寝をしたら風呂に入って夕方は喫茶で本を読む。天国かな...?
姥乃湯




宮城県 鳴子温泉
あちこち泊まっているけれど,温泉宿に連泊するのは姥乃湯が初めて。鳴子温泉のように有名な温泉地はバブル期に建てられた塔のような温泉宿が多いから避けていたけれど,探せばこうした古い自炊湯治部が残っているんだ。
自炊部の建物は古くて,間口も広いが奥行もかなりある。奥の桁面も手前の桁面にも明るい廊下が通っていて,それに挟まれるように2列の客室がある。障子の雪見窓から廊下越しに,まさに雪が降るのが見える。東北線の小牛田でたくさん食材を買い込んで,2泊がっつり自炊をした。湯屋,台所,部屋をうろうろ徘徊するだけで一日が過ぎていく,いい逗留だった。
東郷館


鳥取県 羽合温泉
はわいの温泉はバブル温泉街だったが,1軒だけ明治からの宿が残っている。学生寮のように細長い棟が雁行していて,明るい廊下から緑ゆたかなお庭が見えた。近くの居酒屋でだいぶん酔ってから,あるいて帰る途中の足湯でしばらくのんびりしたのも良かった。
利重旅館




山口県 長門湯本温泉
甲信を中心に集落巡りをされている先輩に,山陰にいくならば,とおすすめしてもらった旅館。おそらく何期にもわたって増築を繰り返した非常に込み入った旅館建築。川沿いの温泉街を少し見下ろす斜面にそそり立つ木造三階建て,そうとう立体的な宿である。
このページで紹介している宿にしては珍しく,5組13人もの宿泊があり,現役バリバリなのが面白いところ。夜,河原まで降りて長時間露光を試すのだけど,それにしても部屋から玄関までいくつもの廊下,階段を辿ってするすると降りていくのが,やや億劫であり,そして楽しい。
呼人旅館


北海道 呼人
北見から向かって,網走駅の1駅手前。いくらか忘れたけれど,とても安かった記憶がある。棟の真ん中を廊下が貫いていて,左右に部屋が並ぶ。外観はちょっと怖いけど,快適だった。
この宿はとなりの松尾ジンギスカンが経営していて,ジンギスカン屋のほうで受付や支払いを済ませる。となると,夕飯がジンギスカンになるのは当然の成り行き。網走の家族連れに混じって,ジンギスカンをたらふく食べた。
砥上屋旅館










茨城県 平潟港
湯気の立ち込める小さな浴室,とぷんと湯に沈む。曇った窓からは夕方のやわらかい日に包まれた平潟の港が見えている。もうたっぷり温まったら,急な階段を登って3階の自室,港に面した縁側へ。寒い,それが火照った体に心地よくて,ただぼんやりと夜になっていく港を眺める。こんな贅沢な時間をまるっきり独り占めしている。なんだか申し訳ないくらいだ。
ここ平潟は,戊辰戦争のときに西軍が上陸した港らしい。なんでも連合軍側はあっさりと上陸を許してしまったとかで,いまでも東北人の中には平潟や勿来の戦いからやり直したいと思ってるかたが多いのではないかと思ったり。
翌日は松島に向けて北上する。時間に余裕があったので,昔からみやこびとの想像を掻き立ててきた勿来関を通って一駅歩いてみることにした。関は明るい春の松林のなかにあって,気持ち良いところだった。